声明 政府方針に対する日本学術会議の立場を支持する

 2022年12月6日、内閣府は「日本学術会議の在り方についての方針」を公表し、同8日・21日に開催された日本学術会議第186回総会において説明を行った。その中で、会員の選考過程に関与する第三者委員会の設置などを含む法改正が準備されており、次期通常国会で法案の提出が予定されていることが明らかにされた。
 会員の選考過程に第三者が関与することは、憲法が保障する学問の自由を脅かす恐れがある。また、2020年10月1日の日本学術会議第25期の発足にあたり、新会員候補6名の任命を拒否した当時の政府の対応を事後的に正当化しかねないものである。
 これに対し、日本学術会議総会は12月21日付で「声明 内閣府「日本学術会議の在り方についての方針」(令和4年12 月6日)について再考を求めます」を発出し、さらに、梶田隆章同会議会長は同27日付で「内閣府『日本学術会議の在り方についての方針』に関する懸念事項(第186回総会による声明に関する説明)」を発表した。両者では政府のこれまでの対応と今後の方針に対する疑問点や懸念点が指摘されている。歴史学研究会は学問の自由が、人類社会の発展に寄与する普遍的な真理の探究において決定的に重要であるとの認識のもと、両者に示された日本学術会議の立場を全面的に支持する。
 来る1月23日には、通常国会の召集が予定されている。政府においては、政治・経済などとは異なる論理が学問にはあり、その自由と独立が民主主義社会において不可欠であることを改めて認識して、法改正を拙速に進めることなく、日本学術会議との真摯な対話と国民への丁寧な説明とを行うよう、強く求めるものである。

   2023年1月13日         歴史学研究会委員会

【参考】
①内閣府「日本学術会議の在り方についての方針」(令和4年12月6日)
https://www.cao.go.jp/scjarikata/20221206houshin/20221206houshin.pdf

②日本学術会議第186回総会「声明 内閣府「日本学術会議の在り方についての方針」(令和4年12月6日)について再考を求めます」(令和4年12月21日)
https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-25-s186.pdf

③梶田隆章日本学術会議会長「内閣府『日本学術会議の在り方についての方針』に関する懸念事項(第186回総会による声明に関する説明)」(令和4年12月27日)
https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-25-s186-setumei.pdf