新刊
『日本復帰50年 琉球沖縄史の現在地』
歴史学研究会編『日本復帰50年 琉球沖縄史の現在地』
東京大学出版会 2024年6月4日刊行 本体3,600円
沖縄の日本復帰から50年を経て、沖縄の視点から日本史の本質的な理解につながる研究が進展し、あるべき沖縄の関係性がつむぎ直されるようになってきた。本書は、史料的にも散逸・焼失もあって平坦ではなかった沖縄の歴史研究の軌跡をたどりながら、一地域史に留まらない視座を提示し、展望をひらく。
まえがき(古波藏 契)
第Ⅰ部 復帰の歴史を考える
第1章 沖縄返還にみる占領特権の制度化(吉本 秀子)
第2章 東アジア冷戦と沖縄(成田 千尋)
第3章 医療福祉から考える沖縄の米軍占領(増渕 あさ子)
第4章 軍事資本主義の生政治に抗う反開発闘争(上原 こずえ)
第5章 日常のなかの冷戦(古波藏 契)
第Ⅱ部 復帰と琉球沖縄史研究の変容
第6章 沖縄の近世・近代転換期をめぐる研究史(前田 勇樹)
第7章 徳川帝国のなかの琉球―従属と自律の相剋(豊見山 和行)
第8章 〈南洋群島〉という社会空間の生成(森 亜紀子)
第9章 戦後沖縄における資料収集・編纂と近年のデジタルアーカイブの取り組み (山田 浩世/小野 百合子)
『ロシア・ウクライナ戦争と歴史学』
歴史学研究会編『ロシア・ウクライナ戦争と歴史学』大月書店
大月書店 2024年5月22日刊行 本体2,700円
ロシアによるウクライナ侵攻。それは、現実政治のみならず、歴史学に新たな課題をつきつけている。そもそもウクライナとは何か、ロシア史の再点検や周辺諸国の歴史認識の変容の検討、「帝国論」「ナショナリズム論」など多面的に考察する。
序 章 ロシア・ウクライナ戦争と歴史学(佐々木 真)
第Ⅰ部 ウクライナとは何か
第1章 現代の政治的文脈におけるウクライナとロシアのネイション観―「帝国」と「脱植民地化」を手がかりに(青島 陽子)
第2章 コサック研究とウクライナ史学(松里 公孝)
第3章 ウクライナとポーランド=リトアニア―ポーランド近世史研究者の視角から(小山 哲)
第Ⅱ部 歴史との対話
第4章 フィンランドにおける対ソ戦争認識の変遷と現状―ウクライナ侵攻との関連で(石野 裕子)
第5章 変容するポーランド=ウクライナ関係と歴史認識―「ヴォウィン事件」80周年を手がかりに(宮崎 悠)
第6章 第二次世界大戦を「過去に葬る」―現代史の見直しと冷戦体制の克服(篠原 琢)
第Ⅲ部 戦争と歴史学への視座
第7章 冷戦後の国際秩序を問い直す―ヨーロッパ国際政治史研究の視点から(板橋 拓己)
第8章 ロシア・ウクライナ戦争と現代歴史学の新しい課題―帝国・主権・ナショナリズム(中澤 達哉)
第9章 私にとってのロシア・ウクライナ戦争―ロシア史研究者として(池田 嘉郎)
シリーズ刊行物
日本史史料 | 歴史学研究会 編 |
世界史史料 | 歴史学研究会 編 |
日本史講座 | 歴史学研究会・ 日本史研究会 編 |
歴史学の現在 | 歴史学研究会 編 |
港町の世界史 | 歴史学研究会 編 |
地中海世界史 | 歴史学研究会 編 |
日本史年表 | 歴史学研究会 編 |
世界史年表 | 歴史学研究会 編 |
現代歴史学の成果と課題 | 歴史学研究会 編 |
その他の刊行物
2023年06月刊行 | 『「戦前歴史学」のアリーナ ――歴史家たちの一九三〇年代』 | 歴史学研究会編 加藤陽子責任編集 |
2022年12月刊行 | 『「人文知の危機」と歴史学 ――歴史学研究会創立90周年記念』 | 歴史学研究会編 |
2022年05月刊行 | 『アカデミズムとジェンダー ――歴史学の現状と課題』 | 歴史学研究会編 |
2022年04月刊行 | 『「歴史総合」をつむぐ ――新しい歴史実践へのいざない』 | 歴史学研究会編 |
2020年12月刊行 | 『コロナの時代の歴史学』 | 歴史学研究会編 中澤達哉・三枝暁子監修 |
2019年05月刊行 | 『歴史を未来につなぐ ――「3・11からの歴史学」の射程』 | 歴史学研究会編 |
2019年02月刊行 | 『天皇はいかに受け継がれたか ――天皇の身体と皇位継承』 | 歴史学研究会編 加藤陽子責任編集 |
2018年12月刊行 | 『創られた明治、創られる明治 ――「明治150年」が問いかけるもの』 | 日本史研究会・歴史科学協議会・ 歴史学研究会・歴史教育者協議会編 |
2017年05月刊行 | 『歴史を社会に活かす 楽しむ・学ぶ・伝える・観る』 | 歴史学研究会編 |
2015年05月刊行 | 『歴史学と、出会う ――41人の読書経験から』 | 歴史学研究会編 |
2014年12月刊行 | 『「慰安婦」問題を/から考える ――軍事性暴力と日常世界』 | 歴史学研究会・ 日本史研究会編 |
2014年10月刊行 | 『史料から考える 世界史20講』 | 歴史学研究会編 |
2013年05月刊行 | 『歴史学のアクチュアリティ』 | 歴史学研究会編 |
2012年12月刊行 | 『証言 戦後歴史学への道』 | 歴史学研究会編 |
2012年05月刊行 | 『震災・核災害の時代と歴史学』 | 歴史学研究会編 |
2007年02月刊行 | 『歴史学研究』別冊 総目録・索引 1933年(NO.1)~2006年(NO.822) | 歴史学研究会編 |
2005年08月刊行 | 『歴史研究の現在と教科書問題 ――「つくる会」教科書を問う』 | 歴史学研究会編 |
2004年11月刊行 | 『歴史教科書をめぐる日韓対話 ――日韓合同歴史研究シンポジウム』 | 歴史学研究会編 |
『岩波デジタル歴史年表』 | 歴史学研究会編 | |
2002年12月刊行 | 『戦後歴史学を検証する ――歴研創立70周年記念-』 | 歴史学研究会編 |
2001年11月刊行 | 『歴史家のよむ「つくる会」教科書 ──その“おもしろさ”の内幕』 | 歴史学研究会編 |