公文書管理法制定についての陳情書

内閣総理大臣 麻生太郎 殿

陳情主旨
 政府は2008年2月に「公文書管理の在り方等に関する有識者会議」を設置し、同年7月1日には中間報告として『「時を貫く記録としての公文書管理の在 り方」~今、国家事業として取り組む~』をとりまとめました。さらに、2008年11月には、最終報告書が小渕優子公文書管理担当大臣に提出されました。
 この最終報告書は、「公文書」を民主主義の根幹を支えるインフラとして位置づけ、さらに「公文書」を十全に管理・保存し後世に伝えていくことは、国の重 要な責務であるとうたっています。そして、公文書のライフサイクルの一元的管理や、公文書管理機構の拡充及び権限の拡大、専門的スタッフの育成など、アー カイブズ問題をめぐってこれまで指摘されてきた多くの課題にこたえる内容となっています。
 歴史学研究会では、歴史資料であり、また国民の共有財産でもある公文書が後世に永く保存されるためにも、下記のように陳情します。

陳情項目
1.有識者会議の意見を反映し、公文書の一元的管理を可能とするための法整備を速やかに行うこと。
2.「公文書」の定義を、「経緯も含めた意思決定過程や事務・事業の実績を合理的に跡付ける文書」(最終報告書4頁)とすること。また、これに合わせて、 現在の情報公開法における行政文書の定義(第2条)を拡張すること。
3.外務省外交史料館及び宮内庁書陵部に所蔵されている公文書の保存・公開などの取り扱いが、国立公文書館などが所蔵する公文書と同様の取り扱いとなるよ う法整備を行うこと。
4.公文書管理を担うアーキビストやレコードマネージャーの養成システムを確立すること。
5.地方公共団体の保有する公文書の保存・公開を義務化する法制度を整備すること。また、地方公文書館の機能強化のため、公文書館法附則2項「当分の間、 地方公共団体が設置する公文書館には、第四条第二項の専門職員を置かないことができる。」を撤廃して、早急に専門職員の配置を促すこと。
6.以上の項目の達成のため、適切な規模の長期的な予算措置を講じること。  以上

2008年11月14日
歴史学研究会委員長 藤田 覚