日韓歴史関連学会合同シンポジウム・合意文

 2001年12月22日、東京で、韓国と日本の歴史関連学会は、「教科書問題」について合同シンポジウムを開催した。その折り確認された合意点をその後の検討を経て、ここに発表する。

1 われわれは、歴史的真実をめざし、相互理解と平和協力を促進すべき歴史教科書に適さない教科書が2001年に日本で刊行されたことを批判する。

2 われわれは、この不適切な教科書が日本の教育現場においてほとんど不採択という結果になったことを、日韓両国の良識ある人々の活動の結果であると高く評価し、今後もこのような努力に期待する。

3 最近日韓両国政府間の合意に基づき、歴史認識と歴史教育に関する共同研究組織がつくられることが明らかにされたが、われわれはこの動きに重大な関心をもって、注視してきた。

4 共同研究組織の目的は、歴史教育を望ましい方向へと改善するために問題を提起し、専門家、学界、民間の討論を促進し、歴史認識にかんする合意をひろげ、歴史教科書の内容によい影響を与えるところに置かれなければならない。

5 こうした共同作業は、次の原則に立脚しなければならない。
第一に、1998年の日韓共同宣言に述べられているように、日本が歴史的に隣国に多大な苦痛と被害を与えたことに対して謙虚な認識をもつことが前提とされなければならない。
第二に、共同研究は、真に未来指向的な協力の意志から出発しなければならない。
第三に、共同研究のための組織は、両国の専門的な研究団体、歴史学界、歴史教育界を代表する人々によって構成されなければならない。
第四に、共同研究においては、あらゆる問題を取り上げて、論じることができる学問的自由が保障されなければならない。
第五に、共同研究組織の活動は公開性を原則としなければならない。

6 日韓両国の歴史関連学会は、以上の原則が守られる限りにおいて、あるべき歴史認識と歴史教育の研究のために、共同研究組織の活動を助け、それに協力する用意がある。

7 われわれは、確認された共同の目標をめざして、日韓の歴史研究者の共同の努力を、今後も続けていく。

2002年1月18日

韓国
歴史学会会長 李柱郢(建国大学総長)
韓国史研究会会長 崔柄憲(ソウル大学校教授)
韓国歴史研究会会長 李永鶴(韓国外国語大学校教授)
日本史学会会長 李啓煌(仁荷大学校教授)
歴史教育研究会会長 崔完基(梨花女子大学校教授)
韓国側組織委員 金容徳(ソウル大学校教授)

日本
歴史学研究会委員長 小谷汪之(東京都立大学教授)
日本史研究会代表委員 小山靖憲(帝塚山大学教授)
朝鮮史研究会会長 北村秀人(大阪市立大学名誉教授)
歴史教育者協議会委員長代行 佐藤伸雄(武蔵野外語専門学校講師)
日本側組織委員 荒井信一(茨城大学名誉教授)
和田春樹(東京大学名誉教授)