教育現場での「日の丸」「君が代」強制に反対する声明

 1999年8月に国旗・国歌法が施行されるにあたり、野中広務自民党幹事長(当時)は強制しないと明言したが、同法が施行されて以降、教育現場では教師・生徒・児童に対し「日の丸」「君が代」を強制する動きが続いてきた。まず2000年の卒業式・入学式では、学校長の職務権限強化を通じて教育委員会からの「通達」遵守が徹底化され、これに反対する教師は戒告などの処分を受けるに至った。甚だしきは、横浜市で「調査カード」による教育の思想調査が行われ、教員の「内心の自由」が脅かされた。こうした動きにより、多くの学校が「日の丸」を掲揚し「君が代」を演奏した一方で、反対運動も全国各地で粘り強く展開された。しかし2000年春以降、一部のマスコミや文化人は、東京都国立市や広島県など反対運動が盛んな地域を「異常な状態」と決めつけ、「強制」を「正常化」と呼びかえて正当化するキャンペーンを展開してきた。これと同時に、教育委員会および学校長による締つけもさらに厳しさを増していった。その結果、2001年の卒業式・入学式では「日の丸」「君が代」の強制が徹底化される結果となった。
 「日の丸」「君が代」は、かつて日本が行った植民地支配や数々の侵略行為の象徴であり、それを支えてきた近代天皇制の象徴である。われわれは、日本国家の戦争責任がいまだ清算されないまま、「日の丸」「君が代」が教育現場で不当に強制されていることに対し、あらためて反対を表明する。

2001年5月26日
歴史学研究会